そうなったら私は当然一人。

当たり前かのように親戚の人達はお父さんと暮らすように言った。


お父さんもまだ若いからって。

お父さんとお母さんが私を産んだのは20歳の時だから今お父さんは36歳。

36歳にして驚くほどカッコよかった。

そんな父だから一緒に暮らせと言われるのは当然で。



別に1人で暮らせるのに。
料理も洗濯もお母さんに教えてもらったお陰で何もかも1人でできるようになった。

けれどもやっぱりまだ子供な私に一人暮らしをさせてくれるわけがない。


中学一年生にもなれば、あの頃お母さんがどんな思いだったのか、お父さんのしたことがどんなことだったか分かるから。

だからこそ、お母さんを傷つけたお父さんと一緒にいたくなかった。


まだ未成年の私はわがままを言えずにお父さんとの二人暮らし。


二人暮らしといってもお父さんと顔を合わせるのは三日に一回ぐらいで私もそれでよかった。


…あんな父親と一緒にいてもだらしなさ過ぎてイライラしてくるだけだから。

ただたまに、小さい頃のお父さんの優しい笑顔を思い出してさみしくはなるけれど。
もうそんなの慣れっこだ。