目を開けて真っ先に映ったのは私の手を握っている大城くんの顔だった。



手を握って眠っている。


ずっと側にいてくれたのかな。


『自分の気持ちに素直になるのよ〜?』



お母さんが夢の中で言っていた。


もう認めてしまおう。
私は大城くんが好きなんだ。
好きになってしまった。


だから自分の気持ちを素直に真っ直ぐ言えばいい。

それで振られたら身を引く。
好きな人には幸せになってほしいから。



「んっ。」


ピクリと手がが動いて目が覚めたのか目を擦りながら顔を上げた大城くんと目があった。



「はっーーー?」




なんでそんなに驚いてるの。



「え、え、え! まって、夢?
え?目、覚まし、た?」



とにかく驚いて酷く狼狽えている。


「は、はい。
私何日寝ていました?」

体がスッキリしている。
多分まる一日ぐらいだろう。



「二週間……………。」

「は、はいー!?」



2週間!?
私2週間も寝てたの!?


「医者からは目覚さない可能性もあるって言われてた。


…………ほんとよかっ、た。」



驚いた次には泣きそうな顔で抱きついてくるものだから。



申し訳ない気持ちが湧き上がってくる。



「す、すいません。心配かけて。」

「ほんとだよ。めっちゃ心配した。
車に引かれたって聞いたときは心臓止まるかと思った。」


弱々しい表情で言われてより申し訳なさが襲ってくる。

本当にごめんなさい……。



それから医者を呼んでみてもらってから
少し頭を撫でていると、急に大城くんが思い出したかのように


「あっ!!!!

電話!」



急に立ち上がって病室を出て行った。