え、あ。恋なのかな。
これは恋なの?
帰り道1人考えていた。
本当は一緒に帰ろうと大城くんから誘われたけど今日は心情的に無理そうだったからお断りした。
いやいや、でも…………ね?
今まで恋愛対象として見たことなかったし。
しかも大城くんには大切な心に決めた人がいるだ。
私が大城くんのことを好きだとしても恋人同士にはなれない。
きっと、気のせいだ。
最近大城くんと関わる機会が増えて少し気にすることが多くなっだけ。
うん。きっとそう。
よしっ、考えるのはやめだ。
スーパーで今日の夕飯の材料でも買って帰ろう。
今日は親子丼にしよう。
お母さんから教えてもらった親子丼。
お父さんが少しでも帰ってきそうだったら引き留めて一緒に食べるのもいいかもしれない。
気まずいし、未だに女の人をとっかえひっかえしているお父さんに苛立ちも少しあるけど向き合うべきだ。
宵ちゃんに偉そうなこと言ったのに自分は大切な人と向き合えていないなんておかしい話。
とびっきり美味しい親子丼を作ろう。
…………っ!
スーパーの方に歩き出したその時、視界に入ったのは赤の信号なのに渡ろうとしている双子ちゃんだった。
車はまだ遠いを走っているけど車と双子ちゃん達の距離はどんどん近くなって、双子ちゃんの方へと向かっている。
ヤバいひかれるっ!
咄嗟に走り出した。
「危ないよ!」
慌てて駆けつけて2人のうち1人はどうにか引かれない場所に移動させることが出来たけどあともう1人がもう間に合わない。
車は私達に気づかずに迫ってくる。
このままじゃあの子は引かれてしまう。
そんなの絶対ダメだ。
あの子は絶対助かってほしい。
だってこれから楽しいことたくさんあるんだもん。
あの子に何かあったらお母さんやお父さんが悲しむ。
そんな想いで無我夢中でもう1人の女の子を押し出すようにしてどうにか逃した。
───── 私まで避けれるような余裕はなかった。
気づいた時にはもう車が目の前で。
あぁ、双子ちゃん。無事でよかった。
今にも泣きそうな顔をしてこっちをみている双子ちゃん達の姿をみて安心する。
けど、次の瞬間にはドンっと重たい衝撃のどっしりとした感覚だけが残って意識が、ポツリと途切れた。