依が優しい顔で聞いてくる。


「なんか心が痛い。

なんでだろ。病院行った方がいいのかな。
予約して行ってみようかな。」


「心が痛いのは大城くんのこと考えてるとき?」


そう…………かもしれない。


コクリと頷くと依は確信したように笑う。



「鈴。
その感情ってなんて言うか知らない?」


分からない。

分からないからモヤモヤする。


依は知ってるの?わかるの?

だったら教えてほしい。



ゆっくりと首を横に振る。


すると




「恋………………だよ。」



こい。
コイ。
鯉。
下位
恋。


……………恋っ?


「こい……………
 

え!?いやいやいや。違うでしょ。


だって私は大城くんみたいなチャラチャラした女───── ってもう違うけど。

え。恋。」



恋なんて一生しないと思ってた。


「まぁ、ゆっくり考えてみなよ。」




お弁当は話してる間に食べ終わってしまったみたいで自分の席に戻って行った。