キーンコーンカーン
チャイムが午前中の授業の終わりを告げる。
途端にみんながガヤガヤし出した。
「凛ー!なんでそんな変わったの?」
「今の髪の毛も似合ってるけど!」
「今日遊べるー?」
大城凛の変わりすぎた容姿はみんなを驚かせた。
やっぱり前を向いて真面目にっていうのは本当のようで、朝から今までずっとサボらずに授業にも出てる。
こんなの初めてで授業も受けにくる先生も生徒もみんなが驚いていた。
そして、1番話題になっているのが
"あの、大城凛が女遊びをやめて好きな子のために真面目になった"
っていう噂だ。(事実)
誘ってきた女の子には必ず全員に断ってるらしい。
それでも黒髪でもイケメンで似合ってしまう大城くんのやっぱり絶えない。
女の子達も"好きな人がいる"って分かっていながらも1番になりたいと思う人がここぞと言うばかりに告白してるみたい。
……………好きな人、誰なんだろう。
未だにそのことを考えてはモヤモヤしていた。
「ねぇ〜、大城くんさ。
鈴にも好きな人がいるから変わることにしたって言ったの?」
お昼ご飯を一緒に食べに依が私の机に弁当を置きながら言う。
「うん。言ってた。
大切な子でその子のおかげで変われたんだって。」
「そっかー?」
依は考えるようにボッーとして言った。
「そのきっかけの思われる出来事に鈴は関わったりしたの?」
変わったきっかけか………。
かおりさん。宵ちゃん。
と大城くんが向き合う時に側にはいたけど。
「うん。一応。少しは関わったのかな?
それがきっかけで変わったのかはイマイチ分からないけど。」
「へぇ〜。鈴さ、それが自分だとは思わないの?」
え!?
な、何言ってるの。
「思わないよ。大城くんは好きな人がいるって私の目の前で言ったんだよ?
私が好きだったら私の前でそんなこと言わないと思う。
しかもその子が好きで変わったならその子は大城くんを変えるだけの子なんだよ。
私じゃない。
…………でも、大城くんに好きな人がいたなんて知らなかったなぁ。」
またズキズキと痛む胸。
なんでだろ。
胸の痛みの原因が分からない。
病院に行ってみようかな?
「私の予想は当たってると思うんだけどなぁ。
………鈴は?
鈴はどうなの。大城くんに好きな人がいるって聞いてどんな気持ちになるの?」

