ていうか、なんで南棟なんだろう？

この高校は南棟は使われていない。
なのになんでわざわざ南棟に？


不思議に思いながらも、早歩きで教室にたどり着いた。


コンコン



ノックをすると大城くんの「どーぞ。」って声が聞こえて、中に入った。


「いらっしゃい。紅蘭チャン。」


大城くんは椅子に座っていた。


「ここに来たら授業受けてくれるって言いましたよね？」

「うんー。明日はね。」

「"明日は"じゃなくて、毎日出てください。」

「それ約束できないねー。俺忙しいし？」


「忙しいって。」

睨みつけると、ククッと笑って言った。