Side鈴
無事に和解できて良かった……………。
私はあれから大城くんの妹の宵ちゃんと話して、そしてお目当てだったCDをもらって大城くんに家まで送ってもらっている。
宵ちゃんはすごくいい子で話しやすくて妹みたいで可愛かった。
なんなら妹にしたかった。
大城くんもスッキリした表情をしていて。
「紅蘭チャン。ほんとありがとう。」
「?何がですか?」
「紅蘭チャンのおかげで前に進めたし、宵とも和解出来た。」
「そんなことないですよ。
大城くんが頑張ったから今があるんです。」
いくら人から背中を押してもらったり、優しい言葉、厳しい言葉をかけてもらったって結局は自分が動かないと状況は何も変わらない。
だから大城くんが頑張ったおかげだ。
微笑んで言うと嬉しそうに笑った。
それから家に着くまでたわいのない話をしていると大城くんが突然、
「ねぇ、紅蘭チャン。」
「はい?」
緊張したような真剣な表情で言ってきた。
突然どうしたんだろう。
大城くんらしくない。
いつも余裕そうに笑ってていつでもヘラッとしてるけど優しさは秘めていて。
見たことがない顔だった。
何事かと顔を見つめると
「紅蘭チャンさ……………、
どんな人が好きなの?」
「え?」
真剣な面持ちで切り出した話はそんなことだった。
どうしたんだろう。急に。
どんな人が好き、か……………。
うーん。
考えてみると一瞬大城くんの顔が脳裏にチラついた。
いやいやいやいや、気のせい。
まあどんな人かは
「しっかりしてて優しくてちゃんとルールは守れて、後は
自分が正しいと思ったことに一生懸命になれる人ですかね……?」
なんて理想が高すぎる?
でも付き合うならそんな人がいい。
それにお母さんが言ってたから
"自分が正しいと思ったことをしなさい。"
って。
「そっか。」
「はい。どうして急にそんなことを?」
「んー?いやー、なんでもない。
着いたよ。」
あっ、本当だ。
「送っていただきありがとうございました。」
「こちらこそありがとね。
また明日。」
「はい。」
そう言って去っていった大城くんの背中を見つめながら自分が宵ちゃんに言った言葉を思い出した。
私だって人に偉そうなこと言えるほど大切な人と向き合えていない。
お父さん。
風邪引いたあの日からお父さんとは家の中でも気配を感じない。
でもかすかに深夜、少しだけ音がするから顔を合わせないだけで帰ってはきているのだろう。
いい加減、向き合わないと。
逃げてばっかりじゃダメだ。
大城くんの問題は私の心にも変化をもたらした。
今度会ったらお父さんと話す。
決心して家の中に入った。
無事に和解できて良かった……………。
私はあれから大城くんの妹の宵ちゃんと話して、そしてお目当てだったCDをもらって大城くんに家まで送ってもらっている。
宵ちゃんはすごくいい子で話しやすくて妹みたいで可愛かった。
なんなら妹にしたかった。
大城くんもスッキリした表情をしていて。
「紅蘭チャン。ほんとありがとう。」
「?何がですか?」
「紅蘭チャンのおかげで前に進めたし、宵とも和解出来た。」
「そんなことないですよ。
大城くんが頑張ったから今があるんです。」
いくら人から背中を押してもらったり、優しい言葉、厳しい言葉をかけてもらったって結局は自分が動かないと状況は何も変わらない。
だから大城くんが頑張ったおかげだ。
微笑んで言うと嬉しそうに笑った。
それから家に着くまでたわいのない話をしていると大城くんが突然、
「ねぇ、紅蘭チャン。」
「はい?」
緊張したような真剣な表情で言ってきた。
突然どうしたんだろう。
大城くんらしくない。
いつも余裕そうに笑ってていつでもヘラッとしてるけど優しさは秘めていて。
見たことがない顔だった。
何事かと顔を見つめると
「紅蘭チャンさ……………、
どんな人が好きなの?」
「え?」
真剣な面持ちで切り出した話はそんなことだった。
どうしたんだろう。急に。
どんな人が好き、か……………。
うーん。
考えてみると一瞬大城くんの顔が脳裏にチラついた。
いやいやいやいや、気のせい。
まあどんな人かは
「しっかりしてて優しくてちゃんとルールは守れて、後は
自分が正しいと思ったことに一生懸命になれる人ですかね……?」
なんて理想が高すぎる?
でも付き合うならそんな人がいい。
それにお母さんが言ってたから
"自分が正しいと思ったことをしなさい。"
って。
「そっか。」
「はい。どうして急にそんなことを?」
「んー?いやー、なんでもない。
着いたよ。」
あっ、本当だ。
「送っていただきありがとうございました。」
「こちらこそありがとね。
また明日。」
「はい。」
そう言って去っていった大城くんの背中を見つめながら自分が宵ちゃんに言った言葉を思い出した。
私だって人に偉そうなこと言えるほど大切な人と向き合えていない。
お父さん。
風邪引いたあの日からお父さんとは家の中でも気配を感じない。
でもかすかに深夜、少しだけ音がするから顔を合わせないだけで帰ってはきているのだろう。
いい加減、向き合わないと。
逃げてばっかりじゃダメだ。
大城くんの問題は私の心にも変化をもたらした。
今度会ったらお父さんと話す。
決心して家の中に入った。

