何も誰からも必要とされない愛されない俺はただただ必死だった。
かおりに嫌われないように。
かおりが離れて行かないように。
かおりは優しくて俺を必要としてくれた。
嬉しかった。
「かおり付き合ってほしい。」
告白してオッケーをもらって何度も何度も体を重ねて愛し合った。
そうしているうちに余裕が出てきて父さんと母さんが亡くなった悲しみは忘れられないけどかおりのおかげで前に少しずつ進むことができていた。
宵ともちゃんと兄として接したい。
前に突き放したことを謝ってもう一度止まった時間を動かそう。
とそう思った矢先に
「かおり、亮治さんのことだぁーいすき!
だからさぁ?ホテルいこ?」
知らない男の人の腕にくっついたかおりを見てしまった。
かおりにどういうことなのか聞くと
「そのままの意味よ?あんたとは遊びで一緒にいてやっただけ。感謝してよね。」
なんて思っても見なかった言葉を投げつけられた。
そんなかおりの言葉に自分の中で何かが切れる音がした。
そっか。
遊んでやっただけ。
本物の愛じゃなかった。
本物の愛なんて信じるべきじゃない。
愛されたいなら愛されにいけばいい。
それからは
黒色だった髪の毛を金髪に変えてピアスを変えて女に声をかけた。
そしたら
ホイホイやってくる。
笑えたわ。
愛されたいのなら愛されに行けばいい必要としてくれる人の元へ行けばいい。
女の子が自分の腕の中で愛してるって言ってくれるのを聞いて満たされた。
愛されてるって。
そこからだ。
女と遊びまくったのは。
ただし、相手が本気で自分のことを好きにならないと分かってる女だけを限定した。
満たされたいだけだから。
また恋愛をして孤独になるのが怖いから。
弱い心を守るので必死だった。

