最終的に、うちのチームは四位まで追い上げた。

 私自身、八位から六位まで浮上したから自分では納得のいく走りができたと思ってる。

 ……だけど、はるきはかなり気にしているみたいで、チームの他のメンバーに謝り倒していた。

 メンバーも気にしないで、と励ましてはいるんだけど、やっぱり張り切っていたのもあって、すごく落ち込んでいる。

「……はるき、お疲れ様」

 解散した後、私は一人でいるはるきに声をかけた。

 はるきは一瞬顔を輝かせた後、再びしゅんとした表情になってしまう。

「すみません、先輩。おれ、かっこいいところを見せるどころか、チームの足、引っ張っちゃって……」

「だから、それは気にしなくたっていいんだって。誰にだって、失敗するときはあるんだから。それに……か、かっこよかったよ」

「え……?」

「失敗することは誰にでもある。それでもあきらめないっていうのは、すごいことだよ。みんなの前で転んじゃって、それでも前だけを見て走ってて。かっこいいなって……思ったよ」

「ホ、ホントですか……!?」

 泣きそうだったはるきの顔が、ぱぁぁぁっと明るく輝いていく。

「先輩、好きです! おれと、付き合ってください!」

「だから、それはダメだってば」

 いつもの調子に戻ったはるきを見て、私は安堵しながらも苦笑いする。

「えぇ~、そんなぁ~……」

 しょぼんとしてしまうはるきに向けて、私は耳が熱くなるのを感じながら、言葉を続ける。

「『今は』だめだから……、引退したら、また言いに来てね」