左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる


遥海くんは休みだろうと店に入ると「あれ?」遥海くんがいた。



「な、何でいるの?」



「前に言ったじゃん、深夜バイトしてるって」



「それは聞いたけど、熱があって休んでたんじゃ……」



「よく知ってるね」


「友達の声がたまたま聞こえたのよ」



「そっか、俺に会いに来てくれたんじゃないのか」


残念そうに言う。



「目が覚めちゃったの、アイスが食べたくて」



「あー、今日、暑いよな〜」



さくらは遥海くんの顔を見た。


「熱、まだあるでしょ?」


もう秋だし夜は涼しくなっている、さくらはアイスが大好きだから季節を問わず食べたくなるけど……



遥海くんが暑いって言うのはきっと熱があるからだ。



「え〜、どうかな(笑)」



「すいませーん」



商品の棚で品出しをしていた男性に声をかけた。




「あの人顔赤いので熱あるみたいですよ」




「えっ、佐野くん大丈夫?本当だ、顔赤いよね、店長に言うから帰りな」



「ほら」



「えーっと……はい」



佐野くんはバックヤードに入っていった。



さくらは買い物をして店から出ると遥海くんが出てきた。



「ごめんなさい、勝手な事して」



「マジな、金もらえねぇじゃん」



少し不機嫌なのが態度でわかった。


確かに生活の為にバイトしてるもんね



でもほっとけなかった。



なんならバイト代分を渡してもいいとまで思った。



休んでもらいたい……



「来て」



遥海くんの腕を引っ張って自分の部屋に連れてきた。