狼上司と秘密の関係

「最近韓国ドラマにはまっちゃってて、それで寝不足なんです。本当にごめんなさい」
頭を下げて謝ると大和はようやく納得したように頷いた。

「そっか、それならいいんだ」
それからは特に会話もなく駐車場へたどり着いてしまった。

せっかく梨江と晋也のふたりが応援してくれると言ったのに、なにもできなかった。
落ち込んでしまいそうになる気持ちを奮い立たせて笑顔を作る。

「じゃ、また明日」
大和は軽く右手を上げるとレクサスに乗り込んで帰ってしまったのだった。