狼上司と秘密の関係

昨日は帰ってから少し泣いてしまったのだけれど、バレるほどじゃないと思っていた。
それでも目ざとく気がついた梨江はグッと顔を寄せてくる。

「ちょっと寝不足なのかも。最近韓国ドラマが面白くて」
早口に説明すると納得したように身を離す。

それからはもっぱら韓国ドラマの話題になった。
梨江も最近ハマっているドラマがあるみたいで、その内容を熱心に話し始めたのだ。

千明は梨江の話を話半分で聞きながらアイスクリーム作るりの準備を始めた。
今日は午前に団体さんが一組と、4人家族と3人家族のグループが入っている。

団体さんの方はいつくかのグループに分かれて体験するだろうから、その分準備が必要になる。
体験教室の奥にある大型冷蔵庫から牛乳を取り出して計量カップではかっていく。

そうしている間にエプロンをつけた晋也が大量の氷が入った段ボール箱を持ってきてくれた。
中の氷はすべて真空パックされていて、使う時にひとつずつ取り出して使うようになっている。
「韓国ドラマの話か? 俺全然見ないからわかんねぇ」

「ちょっとは興味持ちなよ。恋愛ドラマとか面白いんだから」