狼上司と秘密の関係

今まではあまり職場の人たちとプライベートで一緒をすることはなかったけれど、これからは時々梨江たちと一緒に楽しむことも有りかもしれない。

「今の所なんの悩みのなしって感じ?」
そう聞かれて千明は首をかしげた。
完全になにもないとは言い切れない。

なにせ相手には狼の血が流れているんだし、それは絶対に誰にも言えないことだ。
だけど大和は優しくて傷付けてくるようなこともなかった。

それに、少しくらい傷つけられたとしてもそれは不可抗力だということがもうわかっている。
そんなことで大和から離れるつもりはなかった。

「気がかりなことならあるかも」
ふと思い出すのは、保育士の仕事についてだった。

今まで大和に言われたことを梨江に説明すると、梨江は顎に手を当てて「へぇ」と、考え込んでしまった。
「私は今のままがいいと思ってるんだけど、資格があるからもったいないと思われてるのかも」

「そうかもしれないけど、応援したい気持ちがあるんじゃないかな?」
「応援?」