体験施設にへ向かう道の途中で見慣れたふたつの背中があり、大和と千明は目を見交わせた。
「あれって小林と石川だよな?」

小声で大和に聞かれて千明は頷く。
目の前を歩いているふたりは見間違いようもなく、梨江と晋也だった。

ふたりは肩を並べて手をつないで歩いている。
その様子は誰がどう見ても付き合っているようにしか見えなかった。

千明はふと思い出してスマホを取り出した。
昨日倒れてしまってから1度も確認していなかったのだ。

もしかしたら梨江からなにか連絡が来ているかもしれないと思ったけれど、特になにもメッセージは入っていなかった。
これは本人から直接聞くしかなさどそうだ。