その間にも何人もの子供たちが足元に絡みついてきては『遊ぼうよぅ』と声を掛けてくる。
千明は『すぐに戻ってくるからね』と返事をしつつ、教室へ入った。
女の子を小さな椅子に座らせて救急セットを取り出す。
しみないタイプの消毒液を垂らすと、女の子はわずかに身じろぎをした。
この子は普段から我慢強く、おとなしいタイプの子だった。
自分に異変があって声を上げないから、いつも注意深く見ていたつもりだった。
『これでよし。マリーちゃんの絆創膏好きだよね?』
女の子向けアニメの絵が描かれた絆創膏に女の子の頬が赤く染まる。
最後に、ずっと泣くのを我慢していたことをもう1度褒めて、ふたりで園庭へ戻った。
そこからはいつもどおり遊んでいたし、なにも問題はないように見えた。
子供のケガなんて日常的なものだし、大きなキズもできていなかった。
だから、女の子がこけたことを連絡帳に書くだけにとどめていたのだけれど……。
千明は『すぐに戻ってくるからね』と返事をしつつ、教室へ入った。
女の子を小さな椅子に座らせて救急セットを取り出す。
しみないタイプの消毒液を垂らすと、女の子はわずかに身じろぎをした。
この子は普段から我慢強く、おとなしいタイプの子だった。
自分に異変があって声を上げないから、いつも注意深く見ていたつもりだった。
『これでよし。マリーちゃんの絆創膏好きだよね?』
女の子向けアニメの絵が描かれた絆創膏に女の子の頬が赤く染まる。
最後に、ずっと泣くのを我慢していたことをもう1度褒めて、ふたりで園庭へ戻った。
そこからはいつもどおり遊んでいたし、なにも問題はないように見えた。
子供のケガなんて日常的なものだし、大きなキズもできていなかった。
だから、女の子がこけたことを連絡帳に書くだけにとどめていたのだけれど……。



