吹っ切れたのならいいけれど、随分と極端だなぁと苦笑いを浮かべる。
「じゃ、また明日!」

「うん。またね」
玄関のドアが閉められた瞬間、リビングから女性の悲鳴が聞こえてきた。

ホラー映画のブルーレイ、返すの忘れてた!
内容は全然頭に入ってきていないし、そもそも恐いのは苦手だ。

キャアキャア叫び声が聞こえるリビングに一人で戻っていくのも恐ろしい。
「梨江! ちょっと待って!」

千明はサンダルをつっかけて逃げるようにして梨江を追いかけたのだった。