ふぅと大きく息を吐き出して、そのままうなだれる格好になる。
子供好きなことがなにか悪いことになるのかわからず、千明は慌てて「それが、どうかしたの?」と、重ねて同じ質問をした。

「将来的にはどうしたいと思ってる?」
千明の質問には答えずにそう言う大和に千明はまばたきを繰り返した。
「将来的にって、どういう意味?」

保育士の仕事に戻りたいとか、そういう話だろうかと考える。
けれど大和の質問は別の意味を持っていた。
「その、自分の子供が欲しいか?」

照れ隠しに視線をそらせながらそう聞かれて、千明は一瞬キョトンとしてしまった。
大和には短い沈黙の時間がやけに長く感じられて、逃げ出してしたいたい衝動に駆られた。

「いやごめん。今のは忘れてくれ」
「欲しいと、思ってる」
ふたりの言葉がかぶさった。

大和が口をポカンと開けて千明を見つめる。
千明は耳まで真っ赤にしてうつむいていた。