見事、鈴木くんは1位だった。

「鈴木、くん。なんて、書いてあったの?」

「“今、1番大切な人”です。」

「え、?」

「ここまで言っても分かりませんか?」

「分かる、分かるけど、」

「凪先輩。」

彼の真っ直ぐな瞳は真っ直ぐ私だけを捉えていた。

「凪先輩、好きです。俺の彼女になって下さい。」

「え、でも、なんで、」

「覚えていますか?俺、入学式の時、迷子になったんです。」

「迷子……あっ、」

「そうです、あの時に凪先輩に助けてもらいました。」

「あれ、鈴木くんだったんだ、」

「先輩、返事ください。」

「…うん、」