その後、クラスメートから聞いた所、鈴木くんは借り物競争に出るらしい。

ちゃんと、応援しなきゃ。

鈴木くんの番だ、

綺麗な指で紙を捲り、白い足で精一杯走って来る。ん、来る?
でもしっかりと彼の足はこちらに向かっていた。

「凪、先輩。」

「私、?」

「来て下さい、先輩。
 先輩じゃなきゃ、駄目なんです。」

「はい、」

そう返事をすると、鈴木くんは手を握って走り出した。

「先輩、行きますよ。」

そんな彼の後ろ姿は、輝いていた。