もう3人抜かした。後は、トップの1人だけ。

「よし、」

テープはすぐそこ。並んだ。

「ふぅふぅ、」

1位、どっちだろう、

「1位は~、佐藤チーム!」

やった!

クラスも歓声に包まれてる。

「じゃあ、戻るか…」

クラスに戻ったら予想通り、

「佐藤さん、凄い!!」

「佐藤さん、めちゃめちゃ足速いね!」

等々。

「ゆず、ただいま。」

「凪、おかえり。さすがだね。」

「ううん。」

私はゆずと話しながらも、心は自分のところには無かった。

“鈴木蒼くん”の方に心は行っていた。