* * *
その頃、バックマン公爵家ではダーレンとロベリアが公爵夫妻の前に呼び出されていた。
「父上、ロベリアも同席しての話し合いとは、もしかして結婚式のことでしょうか?」
「まあ、そうなのですか? ずっと想ってきたダーレン様の妻になれるなんて、嬉しいですわ!」
嬉しそうに能天気な笑顔を浮かべるダーレンとロベリアに反して、バックマン公爵夫妻は眉間に皺を寄せ、口角は引き下がっていた。公爵夫妻のこの表情を見ても、頭の中で花が咲いている息子とその婚約者にため息が出るのをこらえている。
「お前たちは、アマリリス嬢が婚約者だった時から愛し合っていたのか?」
「ええ、そうなんです! クレバリー侯爵家へ行っても接待してくれるのはずっとロベリアでした。アマリリスは姿を見せることもせず、私が送ったドレスもすべてロベリアに処分するように命じていたのです!」
「ダーレン様のおっしゃる通りですわ。わたくしはずっとアマリリスに虐げられておりましたの。身の回りの世話をさせられ、持ち物はすべて奪われました」
バックマン公爵の問いかけに、愚かなふたりはここぞとばかりにアマリリスを貶める。
それが事実だと信じて疑わないダーレンの姿に、バックマン公爵夫人はどこで教育をも違えたのかと心が沈んだ。
その頃、バックマン公爵家ではダーレンとロベリアが公爵夫妻の前に呼び出されていた。
「父上、ロベリアも同席しての話し合いとは、もしかして結婚式のことでしょうか?」
「まあ、そうなのですか? ずっと想ってきたダーレン様の妻になれるなんて、嬉しいですわ!」
嬉しそうに能天気な笑顔を浮かべるダーレンとロベリアに反して、バックマン公爵夫妻は眉間に皺を寄せ、口角は引き下がっていた。公爵夫妻のこの表情を見ても、頭の中で花が咲いている息子とその婚約者にため息が出るのをこらえている。
「お前たちは、アマリリス嬢が婚約者だった時から愛し合っていたのか?」
「ええ、そうなんです! クレバリー侯爵家へ行っても接待してくれるのはずっとロベリアでした。アマリリスは姿を見せることもせず、私が送ったドレスもすべてロベリアに処分するように命じていたのです!」
「ダーレン様のおっしゃる通りですわ。わたくしはずっとアマリリスに虐げられておりましたの。身の回りの世話をさせられ、持ち物はすべて奪われました」
バックマン公爵の問いかけに、愚かなふたりはここぞとばかりにアマリリスを貶める。
それが事実だと信じて疑わないダーレンの姿に、バックマン公爵夫人はどこで教育をも違えたのかと心が沈んだ。



