天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜

(と、いうことは。王族自ら悪女である私に罰を与えるつもり……? そこまで悪いことはしていないと思うけど……!)

 アマリリスは全力で抵抗を試みるも、騎士が掴んだ右腕はびくりともしない。

「ちょっと待って、私はおとなしく国を出て行きますから、どうか——」
「申し訳ございません。なんとしてもお連れせねばならないのです」

 申し訳なさそうに眉尻を下げているのに、騎士はアマリリスの腕を決して離さない。屈強な騎士に反抗できるわけもなく、アマリリスは馬に乗せられ、来た道を戻ることになった。

 向かう先は明らかに王城。

(こうなったら、どんな処罰でも受け入れるしかないけど……できるだけ穏便に済みますように……!)

 無駄だろうとは思いつつ、アマリリスは心からそう祈った。