エミリオがクレバリー侯爵家から追い出されて、今度は後継者としてロベリアとダーレンが領地経営を手伝うことになった。

 そこでロベリアは父エイドリックにこう進言する。

「お父様、ダーレン様はすでにバックマン公爵家で領地経営をされていたそうなのです。お兄様のことでお疲れでしょうし、少しお休みになった方がいいわ」
「ううむ……だが、今はまだ休むわけには……」
「ですがひどい顔色ですし、無理をされては今後の運営に差し障ります。お母様は相変わらずお茶会やパーティーで家にいませんし、わたしがお父様のお力になりたいのです!」
「ロベリア……心配をかけてすまないな」

 少しだけ表情を緩めて、エイドリックはロベリアたちに少しの間、領地経営を任せることにした。
 
 だが、この決断がさらにクレバリー侯爵家を追い詰めることになった。