夜会から帰ってきたロベリアは、悔しくてたまらなかった。

 追い出したはずのアマリリスは王太子ルシアンにエスコートされ大切にされていたし、ロベリアとダーレンはバックマン夫人に拒絶され笑い物になった。

 あの後も今まで親しくしていた貴族たちに声をかけたけれど、誰も彼もまともに相手をしてくれなくて結局早々に引き上げてきたのだ。

 一夜明けても、ロベリアは今までとすっかり立場が変わってしまったことが受け入れられない。
 すぐに父に話しバックマン公爵家へ取り次ぎをしてもらったが、三日後に【ダーレンはすでにバックマン公爵家から籍を抜いた】という返答が返ってきただけだった。

「ダーレン様がバックマン公爵家と完全に縁が切れたなんて……信じられないわ! これではわたくしは平民の妻になってしまうじゃない……!」

 貴族が家門から籍を抜かれたら平民として生きていくしかない。そうなれば職も限られてくるし、貴族としての生活を送ることなど到底できないのだ。