特に由佳ならまだなにかに使いたいと言ってきそうだった。
それが的中したのだ。
進はさっそく4人だけのグループメッセージを開いて、そこに合成写真を貼り付けた。


これでメンバーなら誰でも合成写真を使うことができるようになる。
「和美、早く」
由佳にせかされて和美がグループメッセージから合成写真をダウンロードする。


岩上の個人情報については2年生に上がった時に緊急連作先として教えてもらっている。
スマホで写真をダウンロードしている間に和美は胸元のポケットから生徒手帳を取り出した。
初日に先生の連絡先を記入しておくように言われていて、それを思い出したのだ。


「これって岩上の個人のスマホ番号でいいんだよね?」
「たぶんそうだろ。この学校には業務用のスマホなんてなさそうだし」
進が肩をすくめて返事をする。


「書き込むのはスマホ番号だけ? 住所とかは?」
「もちろん、住所を一緒に売買したほうが高く付くけど、さすがにわからないよ」
由佳からの質問に和美は左右に首を振った。


最近では学校の連絡網だってなくなっていて、すべてクラスのメッセージグループでのやりとりになっている。