再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

「出来ました!」

 言葉と共に鏡を見せられて驚く。鏡の中の私は、まるでどこかのお姫様のようなのだ。

「……」

 驚いて言葉が出ないとはこのことなのだろう。

 すでにショーは始まっているのか、控室からは人が減っている。私の出番はいつなのだろう。

「美夜ちゃん」
「店長」
「とっても綺麗よ。はい、これ」

 まるでこれから私の結婚式が行われるみたいな雰囲気のなかブーケを渡された。

「行きましょう」
「はい」

 よく見ると店長も綺麗なドレスを着ている。今日は裏方でパーティーには出ないはずなのに。色々と不思議なことが起こっているが、今日というめでたい日を乗り切るしかない。

 チャペルの前までやって来た。閉じられた扉の前には、ホテルのスタッフがスタンバイしている。なぜか、そこには私の父もいるではないか。

「美夜ちゃん幸せになりなさい」
「えっ」
「まもなく扉が開きます」

 戸惑う私をよそに父が隣にやって来た。