再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

 店長からもうすぐマンションに着くと連絡をもらい、壱夜さんと迎えに出た。

 沙夜は、壱夜さんの姿を見ると一目散に走ってきて飛びついている。

「パパー」
「沙夜……」

 まだ、パパだとははっきりと伝えていないが、沙夜の中では確信しているのだろう。壱夜さんにギュッと抱きついて離れようとはしない。そんな沙夜に壱夜さんもメロメロだ。

「まあまあ」

 いつもしっかりしている沙夜からは考えられない甘えように、店長もご主人も驚いている。

「沙夜、お礼は?」
「なーちゃん、なーちゃんおじちゃんありがとう」
「沙夜ちゃんまた遊びましょうね」
「うん」

 しっかりと返事はするものの、壱夜さんにしっかり抱きついたままだ。

「美夜ちゃん、幸せになりなさい」
「店長……」
「美夜さん、良かったな」
「医院長先生」

 ずっと私を支えてくれていた二人からの言葉に、涙が溢れて止まらない……。