再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

 ホテルの建設は始まっているが、決定的な何かが決まらずにいた時だった。

 俺の夢にウエディングドレスを着た美夜が出てきたのだ。純白のドレスに身を包んだ美夜が『シノノメオーシャンズクラブ』のチャペルをバックに微笑んでいた。

 その時にこれだ!と閃いた。

 世の中にホテルも結婚式場もたくさんあるけれど、地元ではなく『シノノメオーシャンズクラブ』で式を挙げたいと思ってもらえるような空間を作りたい。新婚旅行も、そのままシノノメオーシャンズクラブで過ごしたいと思ってもらえるような魅力を兼ね備えたい。

 そして、いつか俺も美夜と式を挙げたい……。

 コンセプトが決まれば、あとは突っ走るだけだ。

 もちろんブライダル以外でもリゾートホテルとしても充実させるのは大前提だが、今は式を挙げない選択肢をする人が多い若い世代に『シノノメオーシャンズクラブ』でなら挙げたいと思わせたい。

 そのために、ブライダル事業には若手を多く採用した。最終決定は重役達の意見を聞くことになるが、若い意見を柔軟に取り入れた。