本来、ブーケにここまで力を入れているホテルはあまりないと思う。委託されたフラワーショップがお客様と相談して作られるものだからだ。店長から聞いた話だと『シノノメオーシャンズクラブ』は、リゾートホテルの経営はもちろんだが、今回はブライダルに相当な力を注ぎこんでいるらしい。若くして東雲財閥を継いだ御曹司社長は、実力も容姿も完璧だが独身だという。ブライダルに力を入れる何かがあるのだろうか。
まだ現れていない社長席を見てどんな人なのかを想像するも、私とはあまりにもかけ離れた世界で思い浮かばない。
私の順番が来て、店長と一緒に前へ出た。前から向けられる視線が私に突き刺さる。
「『フラワーショップローズ』の花木美夜です。よろしくお願いいたします」
挨拶をしてから、今回のコンセプトについて説明していく。私のブーケは他のショップが用意したものより、明らかにシンプルだ。ただ、純白を重視しそこにキラキラと光る人工ダイヤ、さらには、ドレスに合わせて大きさを変えてもおかしくないデザインだ。
まだ現れていない社長席を見てどんな人なのかを想像するも、私とはあまりにもかけ離れた世界で思い浮かばない。
私の順番が来て、店長と一緒に前へ出た。前から向けられる視線が私に突き刺さる。
「『フラワーショップローズ』の花木美夜です。よろしくお願いいたします」
挨拶をしてから、今回のコンセプトについて説明していく。私のブーケは他のショップが用意したものより、明らかにシンプルだ。ただ、純白を重視しそこにキラキラと光る人工ダイヤ、さらには、ドレスに合わせて大きさを変えてもおかしくないデザインだ。



