再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

　プレゼンをする私達の席はサイドに用意されていて、重役の姿がよく見える。

　社長、副社長、専務、常務――。

　錚々たるメンバーが揃うこの会場で、今から前に出て話をするのだと思うと足が竦む。

　そして、社長以外のメンバーが着席したタイミングで始まりが告げられた。

「弊社社長の到着が遅れておりますが、先に始めさせていただきます」

　今回参加しているフラワーショップは、五社で私は四社目に当たっている。社長が来ていないのなら、その間に終わらせたいのが正直な気持ちだ。

　それぞれが考えたアイデアをプレゼンしているが、どこのショップも華やかさを際立たせている。ドレスと合わせると派手になり過ぎると思うのは私だけなのだろうか。それでも、ブーケ自体はどれも素敵な仕上がりになっている。

　プレゼンが終わると重役からは、鋭い質問が飛んでいる。費用や制作期間、応用性など経営側からの質問が飛ぶ。今回ショーで使われて終わりではなく、今後の取引が前提なのだと改めて実感した。