再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

 私には縁のなかったウエディングドレスだが、誰もが憧れるドレスに目を惹かれる。見ているだけでドキドキして楽しい。

 仕事の合間に、ドレスのデザインを眺めて、ふと思いついたブーケのデザインをスケッチブックに描いていく。派手なドレスには真っ白のブーケに少し人工ダイヤを散りばめてみたり、遊び心を取り入れて、シンプルかつ洗練されたデザインを仕上げていく。

「美夜ちゃん、それ素敵ね」
「本当ですか?」

 スケッチブックを見た店長が褒めてくれる。実際に作ってみないとデザイン通りの物ができるのかはわからないが、私的(わたしてき)にも自信作だ。

「一度作ってみたら?」
「そうですね」

 実際に形を作りながら、細かいところをメモしていく。ローズで通ったら企画書を作って、今度は実際に東雲でプレゼンをすることになる。

 ブライダルショーが行われるステージによっても多少アレンジしたいが、採用されることが第一条件だ。美しいドレスを邪魔しない、それでいて新婦をより美しく見えるものを目指している。