再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

 出会った土地ならまだしも、遠く離れたこの地で再会するはずがないと思っていた。

 ところが、突然運命の歯車が動き出す――。

 『フラワーショップローズ』の本社を通して、一本の仕事依頼が舞い込む。

 東雲財閥が北陸の地に建設していた大型リゾートホテルのオープンイベントで、大規模にブライダルショーを行うことになり、新婦の持つブーケを数社のフラワーショップから選ぶと言うものだった。

 ドレスやモデルのイメージが送られてきて、企画案を練る。本社からもこちらに来ているのだが、東雲からの斬新かつ新しい物という要望に、頭を悩ませている。採用されて、今後も発注が入るのなら、私や店長が受けることになるのだ。

「店長や花木さんも考えて下さいね」
「はい」

 本社だけでなく、私達もアイデアを絞り出す。ブーケは普段から作っているが、斬新というのが難しい。ドレス自体が斬新で、ブーケ次第で派手になりすぎて下品になってしまうこともありそうだ。