惰眠をむさぼるくらいなら


さてと。ポーカーの続きだ。

場から札を取って、役を確認する。

うーん……Qのスリーカードか。悪くない、けど。



「はい、じゃあオープンね」

「Qのスリーカード」

「クローバーのフラッシュ」

「あーん、もう! くやしい。また負けた!」



柊の手札はクローバーが五つ並んだ、私より2つも強い役だった。


くそう。この男、ほんと強いんだよなぁ。

運だけで生きてるって感じ。



「これで俺の5勝勝ち抜け。昨日に続いてまた俺の勝ちだね」


柊はにやけるような笑みをこぼして、私の頬に手を伸ばした。

私は目を閉じて、顔を少し前に突き出す。

ちゅっ、と優しく唇に熱が伝わった。



そのまま1、2、3……。


うぅ……昨日より長い。




私はつい、自分から唇を離そうとした。


けれど、それを柊は許してくれず。

頬に触れていた手を頭の後ろに回して、優しかった接触をぐっと力がこもったものにした。


さすがに舌を入れてくることはなかったけれど……ほんとやだ、この男のキス。


角度を変えず、それより深くすることもなく、ただずっとこの体勢のまま時を過ごす。


それがどうしようもなく恥ずかしい。