惰眠をむさぼるくらいなら


クラスは違うけど同じ学年の男子で、私が日葵の親友なら柊は穂稀くんの親友。

私たちは、幼なじみカップルの友だち同士という関係だ。



「女子はむしろ、それもギャップに感じて好きになるんじゃない?」


「いやいや、程度ってあるでしょ。あいつだって今度告るっつって、今になって急に怖気づいてんだもん。そうやって結局、告れなかった穂稀を何度見てきたことか」



私たちはお互い、その日起きた日葵と穂稀くんの『またか』案件を報告し合っている。


今日もこうしてだれもいない放課後の教室に残って、ポーカーをしながら談話中。

柊から聞いたのは、穂稀くんも今度のデートで日葵に告白するつもりらしいということ。



「穂稀くんが早く告っていれば、こんな焦れったい状況にはならなかったのかぁ」

「ほんとだよ」



2人のことはなんだって筒抜け。

だから、2人が両想いなのはずっと前から知っている。


そんな私たちの、合言葉のような口癖は──。



「「さっさと付き合えばいいのに」」