そんな2人の……あえて、じゃれ合いと言わせてもらうけど。じゃれ合いは、今に始まったことじゃない。
穂稀くんにちょっかいをかけられて、日葵が私のところに愚痴をこぼしにくる。
これは、日葵と同じクラスになって仲良くなった高1のときから変わらない光景だったりする。
初めのときこそ、またかと呆れていたけれど、これがないともの足りないくらい日常風景に溶け込んでしまった。
「ほんとひどい! 穂稀は、いつもイジワルなんだもん。精神年齢が小学生で止まってんだよ、きっと」
お互いさまだと思うけどね。
「でも、穂稀くんはクールで落ち着いてるって人気だけど」
「どこが!?」
「女子みんな言ってるよ」
「じゃあ、わたしにだけイジワルなんだ! ひどい!」
日葵はがばっと机に伏せてしまった。
こりゃ、穂稀くんも大変だ。
私、なかなか真理をついたつもりだったんだけど。天然国のお姫さまには通じなかったみたい。
自分で言ってて気づかないものかなぁ。



