私はバカだ。大がつくほどのバカやろうだった。
結局、また柊の口車に乗せられてしまった。
口を開かせたが最後、ずぶずぶと沼に引きずり込まれてしまったわけだ。
でも、これでいびつな関係から抜け出せるかもしれない。
私が日葵の愚痴を楽しみにしているのは、日葵がかわいいというのもあるけれど、愚痴を聞けば柊との話の種になるから。
お互いの親友のノロケを提供し合う、柊とのこの関係を続けられるから。
要するに、私は柊といるのが、案外好きだったりするのだ。
だから、私が勝ったらキスだけの関係をやめる。
そして、最初からやり直す。
キスするのがおかしくない関係を、1から築きたい。
そのためにも、日葵。ちゃんと穂稀くんに告白するんだよ。



