「…あの、ちさくんは三人で回ろうって言ってくれたんだけど、咲花が席を外してくれて…」
「そもそも、なんで後輩がしゃしゃり出てくんの?」
何を言っても無駄な雰囲気。
あたし、こういうの弱いんだよな…。
さっきのナンパだって、女子に絡まれたときだって、いつも周りに助けられてばかり。
「…あたしと咲花がナンパされたのを助けてくれたの」
「…は? なに、やっぱナンパされたん」
まずい。
これは余計に怒られるパターン…。
目を伏せがちに高嶺の次の言葉を待つと。
「はぁ…そういうときは俺に連絡してくんね? 後から聞いてもマジで心配するだけなんだけど」
「…ごめん」
「無事ならいいけど。…つか、それを先に言えよ」
あれ?
さっきまでの怒りモード、収まってきてる…?
「やっぱこんなかっこしてるのがダメ」
そして、ちさくんと同じようなことを言う。