「眠いなら寝てもいいですよ、膝貸すんで」
「…いや、さすがに膝枕は…」
「冗談ですって、真に受けちゃってかわいいなー」
かわいい?
からかわれてる。
睡魔に襲われて冷静な判断がなにもできないけど、膝枕がヤバイということだけは判別できた。
「まぁそれは嘘ですけど、肩くらいならどうぞ」
「ん…」
誰も見てないし、今ならいっか…。
少しだけ、というその気持ちが浅はかだった。
とん、とちさくんの肩に頭を預け、そっと目を閉じて…オヤスミ。
それから、しばらくというほども寝てないと思う。
たぶん、10分とか、そのくらい。
30分も経ってないくらい。
「…すか、手出さないでくださいよ」
何やら言い争いをする声が聞こえて、ゆっくりまぶたを開けた。
「っ…楓夕」
あ、れ…?
夢でも見てるのかと思った。
だって、寝る前までは確実にいなかった人が、目を覚ましたら突如目の前にいるんだもん。



