ふ、と顔をあげると。
何が起きたかわからないうちに、ちさくんの指があたしの口元をこすって、それを自分の口へ運んだ。
「…え」
「クリームついてたよ」
「あ、ありが……じゃなくて、え?」
普通に感謝しそうだった。
え、なんで食べた?
拭ってくれたのはいいんだけどさ、なんで食べた?
「あま」
って笑ってるけどね、そんな場合じゃないよ。
「次どこ行こうか、先輩」
「…え? あ、うん…えっと…」
さっきの光景が気になりすぎてなにも考えられないよ。
だ、だって、まるでカップルみたいな…。
…もう。
それがちさくんなりのコミュニケーションってことね?
あたしは観念して、それからは三年の教室へ行ったり、体育館で生徒会の出し物をみたりして、気づいたらめちゃくちゃ楽しんでた。
だから…。
こんなことになるなんて、想像もつかなかった。



