ナンパとか、不本意なコスプレとか、ハプニングはいろいろあったけど、なんとか無事に自分の任務を終えて午後を迎えた。
「先輩」
「…あれ」
終わったら電話してって言ってたくせに、午後の部に切り替わるくらいのタイミングでちさくんのほうから迎えに来てくれてしまった。
「行きましょ」
「…うん」
さり気に手を差し出される。
それをつかまないわけにもいかず、おずおずと手を重ねた。
「そういえば、1年3組はなにやってるの?」
「うちはクレープです。女子が超はりきってて」
「へぇ」
「結構クオリティ高いんですよ」
楽しそうに話すちさくんもまた、文化祭に浮かれているひとりなんだろう。
ちさくんはあたしの顔をのぞき込んで、「行きます?」って提案。
そんなの、もちろん行く。
強い意志を持って頷くと、ちさくんは満足げにあたしの腕を引っ張った。



