「手つないだら怒る?」
「…怒る」
愚問。
高嶺は「だよなー」って笑いながら、全然ショックのひとつも受けてない。
その姿にちょっとムカついたからね。
「…え」
そっと、高嶺の右手に、自分の左手を重ねる。
…このくらい、お返し。
「…顔、あか」
あたしが呟くと、高嶺はさらに耳まで真っ赤に染め上げ、そっぽを向いてしまった。
なんかどんどん手が湿ってくるんだけど、すごい勢いで手汗かいてる?
…緊張しすぎでしょ。
「楓夕…、ずるいから…っ」
さっきまで女子に睨みきかせてた男子とは思えない。
やっぱり二重人格だよね。
ずるい?
それは高嶺のほうでしょ。
…なんて。
「はー…もう。心臓破裂しそう」
そんな高嶺の声を聞いて、あたしはほんの少しだけ、笑顔になった。



