「た、たかね…くん」
「あのさ。楓夕のこと見えない? この子、俺が超大好きな女の子ね。名前呼びも、楓夕にしか許してないから今すぐ苗字呼びに戻して。てか、まず名前呼ばないで」
あー、言った。
言っちゃった。
…ちゃんと泣かせた。
高嶺って、しゃべりかけた女子を泣かせることで有名なのに、なんでみんなめげずに話しかけてくるんだろう。
すごいな。
それだけの魅力があるってことだよね…。
小動物ちゃんは泣きながら走って教室とは反対方向に行ってしまった。
まぁ、今は人の少ないところで休んだ方がいいね…。
「はぁ…楓夕以外と喋ると体力使う」
「変、だよ」
「楓夕、癒して」
…そんな期待した目をされましても。
キスとかハグとか、大層なことはできませんよ。
「はは、真剣に考えてくれちゃうところかわいー」
「なっ…」
じょ、冗談ね…。
騙された。っていうか騙すな!!



