「名前で呼ぶな」
「えぇ~、でも…」
あらま。
どうやらあたしの姿は見えてないらしいな。
あたしなんかには目もくれず、彼女の視線は高嶺へ一直線。
だけど隣のモテすぎる男は、女子の存在をフル無視して勝手に先に進もうとする。
…パシッ
小動物ちゃんが高嶺の腕をつかんであたしと高嶺の間に割り込んできた。
「…触んな」
…怖。
あたしの前では絶対に見せない表情。
なんか新鮮かも。
泣き出しそうになりながらもめげない小動物ちゃん。
頑張れ。
「あとは浅桜さんに任せて、先に教室戻ろうよ…っ」
「無理」
「あ、あの、高いところに掲示物貼る人手が足りなくて…」
「楓夕、こっちおいで」
ついに女子の言葉までも無視し始めた。
おいで…って、無理でしょう、それこそ!
うだうだしていると手が伸びてきてあたしを引き寄せる。
あっという間に小動物女子と高嶺の間にあたしが割り込む図、完成。
気まずい、非常に…。
ごめんね、あたしなんかが高嶺に好かれてしまって…。



