「…いっ!?」
先輩の痛がる声に目を細めた。
なんかね。
ムカついたから、首噛んだ。
こういうことがあるから、背中は守っとかなきゃ危ないよ。
「な、なにすんのちさくん!」
涙目で振り返る先輩。
あー、その顔かわいー…。
ねぇ、その”高嶺”にもそんな顔見せるの?
「先輩がいけないんだよ」
「…あたし…?」
「俺と一緒にいるんだから、俺のことだけ考えてればいいの」
わがままでしょ?
先輩のことになると理性効かないの。
こんな後輩でごめん。
嫌だよね? でも許してあげない。
俺のそばにいてね、先輩…。
ここまで惚れさせた罰、ちゃんと受けてもらわなきゃ困る。
「…高嶺みたいなこと言ってる」
はい、アウト。
高嶺高嶺って、うるさいよ。
…ガリッ
もう一度、さっきより強めに首を噛んで、先輩をわからせる。
はやく男として意識して。
俺の前で顔赤くしてみせてよ。