先輩のサラサラとした黒髪を手で梳きながらドライヤーの風を当てる。
髪綺麗だし…いい匂い。
でも、今。
俺と先輩…匂い、おそろい?
嬉しくて、ニヤける。
先輩に見られてなくてよかった…。
髪が長いから乾くのに時間かかるけど、全然平気。
先輩の髪ならいつまででも乾かしてあげたい。
ねぇ、でもさ?
俺がいい子な後輩だからって、そんなに隙だらけでいいの?
背中に隙しかないよ。
俺、先輩が思うほど”いい子”じゃない。
…でも、ここで自分の欲望のままに襲ってしまったらあのとき俺が殴った先輩男子と一緒だ。
我慢するね、やっぱり。
いい子だから。
「…ん、終わりました」
「ありがと」
先輩の声も、髪も、匂いも、手も、ぜんぶ好きだ。
…ねぇ、せめて、抱き着きたい。
こう言うときだけ後輩って立場を行使したら怒るかな?



