俺たちと話してるときはそんなに優しいのに、不意にボールが俺らのほうめがけて飛んできたときには。
『こらぁ!! 一年に当たったらどうすんの、このノーコンッ』
と怒鳴ってボールを投げ返していたのを見て、きゅんと胸が鳴ったのを覚えている。
…俺が入部を決めたのは、先輩がいたからだ。
それからというもの、毎日の部活が楽しくなった。
先輩に会うために授業を頑張って、部活へ行く足取りはいつでも軽かった。
とはいっても、先輩に会えたのは週に三日だけ。
水曜日は、掛け持ちしているという茶道部の活動がある日だから先輩はバスケ部には顔を出さなかった。
木曜日はバスケ部の練習自体が休みだった。
火曜日を終えたあとの二日間は、俺にとって地獄のように長かった。
だけど一度だけ、部活がない日なのに先輩と関わることができた日があった。



