友達が代わりに『はい!』と答えて、俺は何も言わなかった。
今思えば…先輩に、見とれていたのかもしれない。
『先輩ですか?』
『うん、2年』
『先輩も部員なんですか?』
ぐいぐいと質問攻めする友達。
先輩は、初対面のときから優しかった。
『あたしはマネージャーだけどね。部員みたいなもんかな』
そういってコートのほうに視線を移す先輩は、俺の隣に腰を掛けた。
『あ、勝手に座っちゃったけど…隣大丈夫だった?』
『…はい』
よかった、と笑う先輩。
恋愛なんて経験したことのなかった俺は、この気持ちがなんなのかわからなかった。
ただ、ふわふわと、宙に浮いたような気分。
夢を見ているみたいだった。
『どう? 中学のバスケは』
『すごいっす。みんな輝いて見える…』
『でしょ? いつでも待ってるからね』
俺もその会話に割って入りたかった。
今思えばその感情こそ、恋だったのではないかと。



