「ま、喜んでもらえたみたいでよかった」
あたしはもらったものをスクバにしまう。
高嶺の嬉しそうに弾んだ声を聞きながら。
「じゃあ、また来週な」
「…うん」
高嶺は確かバス通学だったか。
あたしのことが好きだと言う割に、別れ際はあっさりなんだな。
高嶺はあっという間にあたしの前から姿を消し、バス停へ向かった。
あたしも改札へ向かい、定期を通す。
そういえば…高嶺と一緒に帰ったのはこれがはじめてか。
そんなどうでもいいことを考えながら。
電車を待っていると、カバンの中を漁って焦っている、見慣れた後ろ姿を発見。
声をかけない選択肢はなかったので、ジリジリ近寄ってみる。
「ちさくん」
「っ…び、びっくりした」
宇佐見知慧。
あたしの中学からの後輩。
…であり、もちろん最寄り駅も一緒。
下校中にこうして会うことはしばしばあったんだけど、今日はなんか様子が変。



