無事に、テストが終わった。
あの日からテスト当日までは毎日放課後に高嶺と勉強会を開き、集中できたことのほうが少なかったけど、まぁ結果は真ん中くらい。




あたしにしては上々かな…って思った矢先。
目に飛び込んできたのは高嶺の順位。



まさかまさかの、一位だった。
…え? あんなにサボってたのに?



あたしのこと見るので忙しいとか言って、結局テスト期間中は一度もあたしの前で勉強なんかしてなかった。



だから、地獄のような点数取れ! って…思ってたのに。




しかも、いつも10位以内にもいないようなやつだよ?
カンニングしたとしか考えられなくて高嶺に問い詰めると。




『いやぁ、だって楓夕、俺が頭悪いと思ってんじゃん? 舐められてて悔しいから本気出してみた』




…だってさ。
信じられる? あたしは無理。




本気って…普段から出せばいいのに。



結論。
今回のテスト結果を踏まえて、高嶺人気がさらに急上昇したのは言うまでもない。