「ていうか、楓夕以外の女子にはホント、興味の欠片もないんだよ」
「…それは」
「ひどいって言う? 楓夕、優しいね」
まだなにも言ってないのに、勝手に人の心を読んでは、あたしを褒めて目を細める。
…その表情を向けられたい女子なら、五万といるのに。
「女なんてさ、みんな面食いじゃん。俺がどんな人間かも知らないくせに、顔とか表面上の能力だけ見て騒いで、そういうの飽きたっていうか」
やっぱり。
今までも、さんざんモテてきたんだろう。
女子に騒がれる人生には慣れていて、それで。
「…正直言って、めっちゃ迷惑」
柊木高嶺らしくない、暗い顔。
目を伏せがちに。
コイツの笑ってない表情なんか、久しぶりに見た気がする。
「…でも…」
もう一度あたしの顔を見上げて、何度も見た、愛おしそうな目をする。
心臓が、キュッとなった。



